Argos Index®

The mid-market reference

Argos Index® 2025 年第 1 四半期

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Argos Index®は9.5x EBITDAまで下落

2025年第1四半期のArgos Index®は、3%の下落を見せて9.5x EBITDAとなった。2024年のミッドマーケットにおける価格の回復は、M&A活動の回復と同様、一時的なものに終わった。取引マルチプルは下位・上位すべての市場セグメントにおいて、投資ファンド・ストラテジックバイヤー両方について、同様のペースで低下した。

このような価格の下落の背景には、当四半期のM&A活動の減少(2024年第4 四半期比でディール件数は20%減、公表金額は35%減)がある。これは経済見通しの急激な悪化の影響を受けてのことであり、トランプ氏の経済および貿易政策に関する懸念の高まりを反映している。米国政府の政策をめぐる不確実性によって株式市場のボラティリティが高まり、2024年のM&A活動の(ゆっくりとした)回復は中断されたと考えられる。

このような状況の中、インフレ率が低下して2%目標に近づいたこと(1)や、欧州中央銀行(ECB)によるさらなる金利引下げの見込みを背景とした金融環境の改善にもかかわらず、欧州企業の価値評価は低下した。市場環境は正常化に向かっており、標準偏差および指数サンプルに占める極端な水準のマルチプルの割合は5年間平均を大きく下回って、M&A活動・Argos Index共にそれぞれの長期平均値に近づいた。

(1) Eurosystemスタッフ予測(2025年3月現在)は、2025年のユーロ圏の消費者物価指数を2.3%と予測し、2026年には1.9%に低下して、2027年にECB中期目標に合致する2.0%に落ち着くと予想している。

Argos Index®ミッドマーケット EV/EBITDA倍率中央値の6カ月移動平均値

出所: Argos Index©ミッドマーケット / Epsilon Research




ミッドマーケットの下位・上位セグメント共に、投資ファン ドとストラテジックバイヤーの両方が指数下落の要因

ストラテジックバイヤーの買収価格のマルチプルは第1四半期にわずかに低下して9.2x EBITDAとなった。公開株式市場では、米国の関税の脅威を受けてボラティリティが高まり、それによって買い手企業と売り手の間での価格の合意がより困難になっている。しかしながら、金融環境が改善を続ける中で、M&A価格への影響は限定的であり、大手企業は依然として構造的変化に対応すべく変革的買収に熱心である。

投資ファンドの買収価格のマルチプルは、借入コストが低下し、ディール資金調達へのアクセスが以前より容易になったにもかかわらず、3%低下して10.0x EBITDAとなった。これには、経済的不確実性の高まりを背景とした当四半期の

プライベートエクイティ取引の減速の影響が確実に表れている。プライベートエクイティ・ファンドは資産を売却して後援者に現金を還元するよう圧力を受けており、プライベートエクイティへの投資は、2024年に過去20年間で初めて減少した(1)

投資ファンドとストラテジックバイヤーの買収価格のマルチプルの差は、0.8x EBITDAに縮小したが、依然として大きく、2021年以降の平均値と同水準にある。投資ファンドはM&A市場の構造化の役割を担っており、引き続き質の高い資産をターゲットとしている。

(1) Bainの「Global M&A Report 2025」によると、プライベートエクイティの運用資産残高は2024年に2%減少し、未売却の債務残高は3兆ドルに上っている(FT, 2025/3/6)

企業価値/ 実績EBITDA

出所 : Argos Index© ミッドマーケット / Epsilon Research




マルチプルが極端な水準にある取引は引き続き減少

M&A環境が2024年に正常化へと向かい始め、最近の経済的混乱にもかかわらず、2025年第1四半期には、EBITDAマルチプルが極端な値(7倍未満または15倍を上回る)にある取引の割合は新型コロナ期以来最低の水準となっている。

Argos Index™のサンプルにおけるマルチプルが高低両極端にある取引の割合

出所:Argos Index®ミッドマーケット / Epsilon Research

Argos Index™のサンプルにおけるマルチプルが15x EBITDA を上回る取引の割合

EBITDAマルチプルが7倍未満の取引が分析対象の取引全体に占める割合は、前四半期をわずかに上回る23%となり、価格に対する下向き圧力を浮き彫りにしている。

Argos Index™のサンプルにおけるマルチプルが<7x EBITDAおよび>15x EBITDAの取引の割合




米政権の経済および貿易政策をめぐる不確実性の急 激な高まりの影響を受け、ミッドマーケットM&A活動は 第1四半期に約20%減少

2025年第1四半期のユーロ圏ミッドマーケットのM&A取引(推定値)は、前四半期比でディール件数が20%、開示金額が35%減少し、過去2年間継続した上向き傾向が中断され、2023年初旬の水準に戻っている。

ミッドマーケットの傾向は、第1四半期における世界的なM&A市場の急激な落ち込みと合致しており、世界レベルのディール件数(1)は過去10年で最低の水準に落ち込み、2024年比で30%減、市場のピークだった2021年比で44%減となっている。

米国の経済および金融政策に関する大きな不確実性と関税の脅威により、株価と債券価格が同時に反落したが、M&A市場もその影響をいち早く受けた。昨年11月の米国選挙におけるトランプ氏の勝利に続く「アニマル・スピリット」に鼓舞されたM&Aに係る楽観的見方は、早々に消滅した。

(1) Dealogicによると、世界全体で公表された取引件数は約6,600件に上り、前年比でほぼ30%の減少である(FT, 2025/03/24)。

ミッドマーケットの推定取引件数(1500万~5億ユーロ)

出所:Epsilon Research / MarketIQ

ユーロ圏ミッドマーケット(1500万~5億ユーロ)の取引件数と取引金額

出所:Epsilon Research / MarketIQ

投資ファンドの活動はM&A市場全体の動きと一致している。過去6か月間のミッドマーケットM&Aにおける投資ファンドのシェア(1)は、ディール件数については16%で安定しているが、開示金額は22%まで減少した。

(1) ビルドアップは含まない。

ユーロ圏ミッドマーケットM&AにおけるLBOのシェア

出所:Epsilon Research / MarketIQ

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